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2021.09.20

底引き網漁のセリ@かなざわ総合市場

橋本さん.gif

投稿スタッフ

金沢|近江町市場のお取り寄せ

こんにちは。イチバのハコです。今回は9月から解禁になった石川県の底引き網漁のセリを取材させて頂いたので、セリが開催されているかなざわ総合市場やセリの様子についてご紹介します。今回の取材に際しては、おさかなマイスターとしておさかなの普及活動に努められているJFいしかわ企画課の高岩さんの指導の下で、コロナ感染症対策に万全を期して取材させていただきました。

高岩さんは、年々魚の消費量や漁獲量が減る中で、石川県の方々にとって地物をより身近にする事こそが石川県の漁業の未来に繋がると普及活動に尽力されていて、セリの見学や学校での授業にも積極的に関われています。高岩さんの関われている活動の一つで、全国の海洋環境の現状を伝える「海と日本PROJECT」で高岩さんが推奨されている「魚の耳石集め」がユニークで面白いのでご紹介させていただきます。子どもたちに楽しみながら、色んな魚を知ってもらうために、耳石集めを提案されています。

■おうちで学べる海の教室「魚の耳石(じせき)を集めてみよう」
https://youtu.be/owhI8aY-Ufg

高岩さん、お忙しいところ大変な時期にも関わらず取材を受け入れて下さり有難う御座いました!

目次
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①かなざわ総合市場
②底引き網漁船
③せり
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金沢|近江町市場のお取り寄せ

①かなざわ総合市場

金沢港に面した海のそばにかなざわ総合市場は位置しています。地元市民や観光客にも人気の金沢港いきいき魚市や厚生食堂さんも隣接する場所です。いきなり余談ですが、厚生食堂さんは、1,000円前後で海鮮丼から刺身やフライ定食が楽しめる人気店です。個人的にはがんど(ぶり)アラ煮定食(900円)がおすすめです(笑)「厚生食堂」という名前が独特なので、理由を調べてみると元々港湾関係者のための食堂として始まったようで、店内に飾られている「船員厚生食堂」のれんにも納得しました。

かなざわ総合市場では、石川県内で水揚げされる鮮魚の約3割が集荷、セリにかけられ、西日本を中心とする全国へ出荷され、一部鮮魚は金沢市中央卸売市場へも出荷されています。かなざわ総合市場は、主に漁業者や漁協から出荷される水産物の卸売りのために水揚地で開設される産地市場(集荷される水産物は100%地物)と呼ばれ、一方金沢市中央卸売市場(今年初競りの取材をした市場)は消費地市場と呼ばれ、県外の水産物も集荷、セリにかけられています。

■かなざわ総合市場
https://goo.gl/maps/F4EnkVpnPYxqH3918

■金沢港いきいき魚市
https://ikiiki.or.jp/

■魚処厚生食堂
https://retty.me/area/PRE17/ARE155/SUB15501/100000054587/

金沢|近江町市場のお取り寄せ
金沢|近江町市場のお取り寄せ

②底引き網漁船

金沢港に所属されている漁船は19隻で、今の時期は金沢港から3時間程度の近海で甘えび、ガスエビ、めぎす、ハタハタ、カレイ等を底引き網で漁獲されています。例年11月6日のズワイガニ漁解禁以降は、全ての船がズワイガニ(加能ガニ・香箱ガニ)漁へ切り替えられるため、現在漁獲されている甘えび、めぎす等の水揚げは減少します。何を獲るかについては、漁協が決められているわけではなく、各船に任されていて相場等の状況を見ながら船ごとに狙いを定められています。取材した日にお話をお伺いした平昌丸の鳥井さんは、祖父の代から漁師をされている3代目で、今は息子さんも4代目として一緒に漁をされていました。天候の影響で、出航できる日数は120日/年ほどのようですが、出航日以外も、漁具の保守点検、漁協等の集まり、また地元の学校での普及活動等にも参加され、非常にお忙しい様子でした。そんな忙しい日々の息抜きはボーリングで、腕前はプロ並みで、ベストスコアはほぼパーフェクトゲームとのことでした(笑)

金沢港に所属する底引き網漁船は15トン前後、6名程度で乗船され、漁獲するだけでなく、船上で魚類やサイズ別に仕分けされています。帰航後は魚類別に分けられた箱をパレットの上に置かれ、かなざわ総合市場の方がフォークリフトで場内のセリがされる場所へ運搬されます。取材した日の水揚げで圧倒的に存在があったのはやっぱり大量の綺麗な甘えびでした。特に昨年からブランド化された「金沢甘えび」は、通常の甘えびとは別の箱に仕分けられ、セリにかけられています。「金沢甘えび」とは、金沢港で水揚げされ、船が引き上げる最後に網揚げされる最高に鮮度が良い、かつ出荷区分で一番大きい「大」または「子持ち」であるという条件を満たす甘えびです。ちなみに子持ちの甘えびになるまでには6-7年かかるみたいで、子持ちの甘えびの貴重さを改めて感じました。

■金沢甘えび(2020/9/2中日新聞記事)
https://www.chunichi.co.jp/article/113868

■ふくい甘えび
2021年から福井県で漁獲された一定の規格を満たした甘えびもブランド化されているようです。
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/suisan/fukuiamaebi.html

またまた余談ですが、先日北朝鮮の弾道ミサイルが能登半島沖で落下したニュースはご覧になったでしょうか?能登半島沖の大和堆(やまとたい)はプラクトンが豊富でイカやカニ等の好魚場になっていて、県内の漁船が操業される事もあり、ニュースを聞いた時は非常に心配になりました。幸い被害はなく、操業にも影響がないとの事でした。

■北朝鮮がミサイル発射(2021/9/21日テレニュース24)
https://www.news24.jp/nnn/news103hpqmlmortdv0vcut.html

③せり

せりは18時半ごろに甘えびやカニ以外等の主な魚種以外から始まり、取材した日は21時前には終わりましたが、ズワイガニ漁の時期になると23時頃までセリが続くそうです。主な魚種以外から始める理由は、全ての魚種がセリ落とされるように配慮されているからとの事でした。セリ落とされた箱には、落札した仲買人のカードが入れられていき、かなざわ総合市場の方が記録されながらセリが進行されます。セリの仕組みについて高岩さんから詳しく教えて頂いて初めて知ったのですが、落札した鮮魚の支払いは、仲買人がかなざわ総合市場へ預託される保証金から引き落とされ、後日明細が仲買人へ届きます。ズワイガニ漁の時期になると、仕入れ金額が跳ね上がり預託される保証金も高額になります。

仲買人さんによっては、かなざわ総合市場のセリに参加した後に、翌朝(朝3時半から)の金沢市中央卸売市場のセリにも参加される方もいて、仲買人さんの仕事の大変さを改めて感じました。ヤマカ水産の番匠さんも毎日(休業日の水曜日を除く)両方の市場のセリに参加し鮮魚を仕入れられています。

かなざわ総合市場のセリの様子はいかがだったでしょうか。次は11月6日のズワイガニ漁解禁に合わせてセリを取材し、1年で一番盛り上げるセリの様子をお届けする予定です。

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