2021.02.26
「もったいない企画」第二弾 【地物】
投稿スタッフ
近江町市場には、地物の農産物や海産物がたくさん並んでいます。その中でも最近八百屋さんでよく目にするこの「顔の見える能登の食材」シールですが、一体どのような活動なのでしょうか。
このシールにはフルネームで生産者さんのお名前が書かれており、食材を通じて生産者さんとつながっているような暖かい気持ちになります。名前を出すことで、生産者さんの責任感やプライドが伝わってきますし、私たち消費者は安心感や地元の農家さんを応援したいという気持ちで思わず手に取ってしまいます。よく見ると、能登の中でも珠洲市・能登町・穴水町・輪島市など奥能登方面が主に生産地であるようで、椎茸や山菜についているのを、よく見かけます。
この取り組みは、以前ご紹介させていただいた久米農園さんがご尽力されて始まったということです。農家さんたちが丹精込めて作った農作物をより多くの人々に知ってもらい、その価値を理解していただくことで、生産者を守っていこうという取り組みなのです。奥能登でとれる魅力ある農産物を毎日出荷することにより、安全で安心な奥能登の食材をより多くの消費者に届けるとともに、生産者さんにとっては売れ残りがないので生産意欲の喚起にもつながっているようです。当初は週2回だった運行が、現在は毎日の運行になり、出荷者も16名から300の個人やグループに増えているそうです。卸にかけるにはある程度の出荷量が必要なため、小規模の農家さんには卸に出すことは難しかったそうです。そこで、そんな農家さんたちからの農産物を集めることによってある程度の量を確保することができ、卸売市場にも出荷することができ、私たち消費者に届けられるようになったのです。
このシールが生産者さんと消費者の距離を縮めてくれるようになればいいですね。
ご当地野菜の「加賀野菜」は、石川県や金沢市が積極的に取り組んできた消費宣伝や販売促進活動により、今ではかなり認知度が上がってきました。スーパーマーケットなどでも力を入れて販売しているようになり、私たちにとってより身近な食材になっています。加賀野菜ブランドとして認定されている品目は、さつまいも、加賀れんこん、たけのこ、加賀太きゅうり、金時草、加賀つるまめ、ヘタ紫なす、源助だいこん、せり、打木赤皮甘栗かぼちゃ、金沢一本太ねぎ、二塚からしな、赤ずいき、くわい、金沢春菊の15品目あります。これらの加賀野菜は1年を通して旬を迎えるため、季節ごとに旬の加賀野菜を楽しむことができます。旬の加賀野菜が出始めると、店先では目で季節を感じ、購入した後に自宅で調理することでその香りを感じ、出来上がった料理を味わうことでその美味しさを感じることができます。加賀野菜を通じて、四季の移ろいを感じられる暮らしをしてみませんか。
近江町市場では、当然のことながら旬の食材を選りすぐって店頭に並べるため、ごく自然に地元で収穫されたものが売られています。地産地消を難しく考えなくとも、私たちの住む所で育てられ、今一番美味しくて、新鮮な食材をいただくことが身体にいいはずです。毎日卸売市場で競りにかけられ、販売する小売りの商店さんが目利きをして選んだものが並んでいる市場を、消費者が利用しない手はないでしょう。
次回は、春のお祝い事で飾られるものについて、ご紹介します。