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丸果石川中央青果/岡嶋さん(前半)
「おみちょびと」編集担当の白江です。6月某日、近江町市場を飛び出し、青果部の取材のため再び金沢市中央卸売市場へ。今回は青果部編の前半をお送りします。
歴史を紐解くと青果部の前身は近江町市場の向かい現在の名鉄エムザの辺りにあったそうです。今からおよそ50年前の昭和41年(1966年)に現在地に移転しました。案内してくださったのは丸果石川中央青果の岡嶋さん。丸果青果はここ金沢市中央卸売市場の青果専門の卸売業者です。生産物の流通は、まず農家の育てた生産物を丸果青果のような卸売業者が預かり、それを仲卸業者に販売し、小売業者を通して私達消費者に届けられるシステムです。「預かった生産物を高く売ろうとする卸売業者と、それをできるだけ安く買おうとする仲卸業者の丁々発止が繰り広げられるのが卸売市場」と岡嶋さん。なるほど、小学校の社会科で勉強したことが今更になってようやく理解できました。
青果のせりのスタートは朝6時。青い帽子のせり人に対し、赤い帽子の仲買業者がバインダーの裏で何やら指で合図を送っています。こうして仲買業者は競争相手に知られないように卸売業者と価格交渉をします。セリは大体10分から15分で終了。行き先の決まった青果は仲買業者によってどんどん運び出されていきます。自然の豊富な奥能登で生産された新鮮な野菜が勢揃い。このまま生でかぶりつきたいくらいの瑞々しさです!生産者の名前を記したシールが貼られた野菜を近江町市場でもよく見かけます。
6月ともなれば梅干の仕込みの季節ですが、今年は梅の凶作だそうで例年に増して価格が上がっているそうです。梅干と一緒に漬ける赤しそと梅干は常に相関関係にあり、どちらかが値上がりするともう片方が値下がりをするというバランスが保たれているそうです。
五郎島金時といえば加賀野菜を代表するさつまいも。金沢市郊外の五郎島地区で生産され、ほくほくとした食感と奥深い甘さが特徴です。冬の間は室(むろ)で貯蔵されさらに甘さが凝縮されます。初夏になると出荷は終わり、さつまいも生産者は夏の間西瓜の生産で忙しくなります。五郎島地区は砂丘地のため水はけがよく、さつまいもと西瓜の生産に適しています。加賀つるまめも夏の加賀野菜のひとつ。金沢では「だら(金沢弁で馬鹿)豆」と呼ぶことがあります。一説では「だらでも(馬鹿でも)作れる豆」だからだそうです。煮物が定番ですが、青臭さが苦手な人はピーナッツバター和えがおすすめです。
さて青果部編の前半はここまで。まだまだ続きますよ!次回後半にご期待ください!