岩内蒲鉾店/岩内さん
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岩内蒲鉾店/岩内さん

岩内蒲鉾店/岩内さん

「おみちょびと」編集担当の白江です。今回は「あてのハコ」でお届けしている蒲鉾を作って下さっている岩内蒲鉾店を紹介します。岩内蒲鉾店は鮮魚通りから少し入ったところに店を構える練り物店。看板には「造って売る店」とことん手作りにこだわっている雰囲気です。

岩内蒲鉾店/岩内さん

明治9年創業の練り物店5代目の岩内一郎(いわうちいちろう)さん。ひいひいおじいさんが創業し今年2020年で144年目をむかえる老舗を切り盛りする39歳。市場でも若手の経営者です。

生まれも育ちも金沢。大阪の大学を卒業後、家業を手伝うため金沢へUターン。
「家業を継ぐのは自然な選択。誰に言われるまでもなく自分で選びました」
とさすが老舗のご長男。

趣味は「ゴルフ」
家庭を持つ一女のパパ。「後継ぎはまだ考えてないっす」と照れた表情。市場男子はシャイな人が多い!

岩内蒲鉾店/岩内さん

お店のその日の仕込みが始まるのは朝4時。午前9時には作り立ての蒲鉾が店頭に並びます。

金沢では蒲鉾を「はべん」と呼びます。底には一般的な厚板ではなく薄板が敷かれています。紅白の蒲鉾は春や秋の祭りに欠かせません。薄板から外さずそのまま切り、指でつまんでいただきます。ちょっとしたおつまみ感覚ですね。

「ふかし」はすり身を茹でたもの。蒲鉾と違ってふわふわした食感です。子供の頃、母が作ったお吸い物によく入っていたのを思い出します。ちなみにふかしはおでんや煮物、バター焼き、チーズを挟んでフライにしても美味しいです!

岩内蒲鉾店/岩内さん
岩内蒲鉾店/岩内さん

青竹を芯にした太ちくわ。金沢ではこの太ちくわを7月1日(旧暦の6月1日)の「氷室の日」にいただきます。かつては江戸時代、加賀藩前田家が徳川家に冬の間氷室に貯蔵していた氷を献上していたことが由来です。氷の無事の到着を願い、また庶民は夏に向かって無病息災を祈り、竹ちくわを食べていました。ちくわは高タンパク低脂肪。理にかなっていますね!岩内蒲鉾店では年中太ちくわを製造されていますが、氷室の日は一日なんと四千個作るそうです!

昆布蒲鉾は「昆布県」のニックネームで知られる富山県だけでなく金沢でも定番の蒲鉾です。かつて北前船で北海道から運ばれた昆布を使って、すり身を巻いたのが始まりと言われています。赤巻蒲鉾は赤く着色したすり身で巻いています。これらを総称して「巻き蒲鉾」と呼ばれています。金沢のうどんはこの赤巻が入っていることが多いです。

近江町市場は生鮮品ばかりでなくお豆腐、海産物、お惣菜など加工品を扱うお店がいくつもあります。先代から受け継がれた伝統の味を守るお店です。

ハレの日のみならず日常の食卓に欠かせない練り物。お気に入りの日本酒のお供に岩内さんの蒲鉾をぜひお楽しみください。

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