​最新のスタッフ日記

金沢|近江町市場のお取り寄せ

2022.09.30

イベント初出店(10月8日)

金沢|近江町市場のお取り寄せ

2022.09.15

源助だいこん種蒔き体験

金沢|近江町市場のお取り寄せ

2022.09.27

源助だいこん間引き菜

金沢|近江町市場のお取り寄せ

2022.09.09

菊姫さんとひやおろし

金沢|近江町市場のお取り寄せ

2022.0926

食をめぐる~食べもの係

金沢|近江町市場のお取り寄せ

2022.09.02

今年も待ちに待った底引き網漁解禁!

金沢|近江町市場のお取り寄せ

2022.09.20

イチバのカゴプロジェクト

金沢|近江町市場のお取り寄せ

2022.08.24

海にまつわる社会科見学

枠.png
枠.png

2022.08.16

定置網漁のおはなし

橋本さん.gif

投稿スタッフ

金沢|近江町市場のお取り寄せ

こんにちは。
イチバのハコが日々皆様にお届けしている鮮魚ですが、種類によって漁法や漁場が違っていることは、
なんとなくご存知の方も多いと思いますが、今日は漁についてのお話をさせていただけたらと思います。

石川県では、大きく分けて5つの漁法で漁が行われます。
「イカ釣り」「定置網」「まき網」「底引き網」「刺し網」の5つです。
(それらの詳細は、昨年9月の底引き網漁解禁のスタッフ日記でご説明しているので、興味のある方は是非ご覧ください。)
https://bit.ly/3zMqiOq
その中でも特に「イカ釣り」「定置網」「まき網」「底引き網」が基幹漁業となっており、2013年の調査では、この4つの漁法で生産量の91%、生産額の84%を占めています。

さて、今日はその中でも、「定置網」漁についてのお話です。
石川県のグルメといえば、ズワイガニ、エビ類などを想像される方も多いと思いますし、もう少し詳しい方だとフグ、鱈、アンコウ、ハタハタ、メギス、カレイ類などのお魚がパッと浮かぶのではないでしょうか。
それらのお魚は、主に「底引き網」漁で獲れるものであることから、石川県の代表的な漁法は底引き網漁と思われがちなのですが、(実際、底引き網漁が禁漁期に入る毎年7-8月は、おみちょでも地物以外のお魚が沢山並びますし、9月1日の「底引き網漁解禁」を迎えると、お魚屋さんが一気に賑やかになります。)、石川県の漁法の中で最も生産額が大きいものは「定置網漁」です。
では、定置網漁ではどんなお魚が獲れるのでしょう?
第一位はフクラギやガンドなどを含むブリです。そして、サワラ、マイワシ、マアジ、スルメイカ、マサバなどが続きます。
石川県の内浦(富山湾側の海域)は、急深な地形で、寒ブリなどの回遊魚が岸近くまで回遊するため(天然のいけすなどとも呼ばれています)、定置網漁が発達し、全国的に見ても有数の定置網地域を形成しています。
以前ホタルイカ漁を取材した際にも、富山湾の定置網漁についてはお話しさせていただきました。
定置網漁とは、読んで字のごとく海中の定まった場所に網を設置し、回遊魚を待ち受けて獲る漁法です。
現在石川県内では、大規模の定置網が60区画あり、さらに家族経営をしているような小規模な定置網は100区画ほどあり、そのほとんどは、この内浦海域に集中しています。


今回イチバのハコスタッフは、定置網漁の見学を年間通して実施されている、大規模な定置網を所有する「鹿渡島定置」さんにお邪魔して取材をさせていただきました。
七尾駅からさらに北東に20分程車で走らせた、七尾市の鵜浦地区にて操業されています。

毎日朝の3時に出港とのことことで、2時40分に現地集合。
(イチバのハコスタッフたちは、金沢から夜中の1時に出発しました!)
まだ、真っ暗な道を進んでいくと、一際明るい漁船が見えてきて、この時間にとても異様な光景に思えました。
社長の酒井秀信さん自らお出迎えくださり、漁師さんたちが着ているつなぎとライフジャケット、長靴を貸していただき、足早に漁船に乗り込みました。
この日は10名強の漁師さんが同乗されており、どの方も気さくに挨拶をしてくださり、また漁場に着くまでの移動時間に色々お話をしてくださる方もいらっしゃり、とてもウェルカムな雰囲気でした。
出港から15分程真っ暗な海の中を電気を落として進み、1つめの漁場に到着しました。
特に合図があるわけでもなく、漁師さんたちが皆テキパキと動き始めたことで、漁場に着いたことがわかります。
私たちが乗せていただいたメインの漁船とは別に、1人で操縦する小型漁船があり、その小型漁船がメインの船の周りを忙しく走り廻ります。
定置網を開けたり、メインの船が通過したら閉じたりしているそうです。
そして、メインの漁船での網の引き上げ作業が始まります。

金沢|近江町市場のお取り寄せ

5機の自動巻き上げ機(正式名称かは不明です)を操作する人、その間で網を調整したりする人、皆さん黙々と自分の持ち場の作業を進めます。そして巻き上げ作業を40分程続けると、先述の小型漁船との間が1〜2m程に縮まり、だんだんと網の底と、その上を泳ぎ回るお魚たちが見えてきました。
この距離になり、いよいよ魚たちを引き揚げていく作業が始まります。
2m程の長さの大きなタモで魚をすくい、タモの先の持ち手を船上のクレーンにつなげ、クレーンでタモを一気に持ち上げると、そこには大量の魚が。
すくい上げられた魚たちは、船の上の氷でキンキンに冷えた生簀に収められていきます。
そんなすくい上げの作業は全ての魚をすくいあげるまで続き、4時15分頃、ようやく1箇所目の定置網での作業が完了しました。
その頃には、すでに空が明るみはじめました。
そして、間髪を入れずに2つ目の定置網へと移動をします。
また10分程船で移動をし、その間にも漁師さんたちは網を修理したりと船上で出来る作業を続けつつ、私たちを気遣って下さり、色々と話しかけてくださいました。
2つ目の定置網でも、先ほどと同様の作業が繰り返されます。
漁師さんの漁というと、荒波で揺れまくる船の中で、漁師さんたちが怒鳴りあいながら作業をするもんだと勝手に思い込んでいた私(おそらくテレビとかの影響でしょう)、定置網漁の船は、そのイメージとは真逆でした。
皆さん各々持ち場が決まっており、淡々と黙々と作業をされます。取材日はたまたま天気が良かったこともあり、船もほとんど揺れませんし(冬場やシケの日はまた違うようですよ。)、怒鳴り声なんて一度も耳にしませんでした。
お互いを気遣いつつペースを合わせて、でも余計な動作やコミュニケーションはなく、そんな穏やかな船上でした。
2箇所での漁が終わる頃には、あたりはすっかり明るくなり、心地よい朝日を浴びつつ、港へと戻りました。
その戻りの船の中で、一際若い27歳の漁師さんとずっとお話をして、目をキラキラさせながら漁の話や自分の夢を語ってくださったのがとても印象的でした。また、別の漁師さんは船の上で、その日上がったとびきりのお魚を選別し、神経じめの作業をしていました。

さて、港に戻ったら戻ったで、今度は仕分けの作業が始まります。
港に戻ったのが5時40分頃。
船上の氷水で冷やされて運ばれてきた魚は、またクレーンに繋がれたタモですくい上げられ、自動選別機へと流されます。
この自動選別機が優秀なこと。
まず、自動選別機の一番高いところに魚が運ばれ、傾斜状になった選別機を魚が滑り落ちていきます。
円筒が同間隔に並んだ場所を魚が滑り落ちていく中、円筒の間隔が狭いところでは小さい魚が、もう少し間隔が広いところではそれより大きい魚が、そして選別機の最終地点まで流されていく魚は大きいもの、と大きさにより3段回で選別されます。
それぞれの魚が落とされた先では、漁師さんたちが手分けをして、魚の種類毎に手作業で仕分けしていきます。
仕分けられた魚たちは、ハコいっぱいになると、どんどん重さを測られ、出荷をされていきます。
6時半頃には作業が終わり、トラックに載せられた大量の魚が各市場へと送られていきました。
私たちがおみちょで普段見かける「朝どれ」鮮魚たちは、6時半に七尾を出発し、8時頃に金沢の卸市場に並べられ、並べられた側から競りが始まり、おみちょのお魚屋さんたちが競り落としたものということになります。
朝の5時頃までは海で泳いでいた魚が、その日の9時頃にはおみちょで買える。
普段見ていた「朝どれ」の文字がこの日からより愛おしく感じられるようになりました。

金沢|近江町市場のお取り寄せ
金沢|近江町市場のお取り寄せ

さて、このツアーのクライマックス。それは朝食です。
その日採れたお魚を調理していただき、それを社長の酒井さんと一緒に頂くことができます。
「朝どれ」の真鯵やフクラギのお刺身、アジのなめろう、そしてその日のものではないですがフグのお刺身や、焼き魚に煮魚、丼にたっぷり入ったあら汁には、なんとフグの白子まで。サラダも大盛り出していただき、ご飯も好きなだけ食べなとお茶碗ではなく丼を渡されます。ギバサ(アカモク)の酢の物も、暑かったこの日、身体に染み渡りました。
そして、こんな豪華な朝食とともに、酒井さんのお話がまた大変素敵なものでした。
元々富山県出身の酒井さん。若い頃から定置網漁師となり、独立をするきっかけで現在の七尾沖の定置網の権利を得られたことから七尾に移住をされました。
この定置網の権利、というのがまた面白く、冒頭に述べた60箇所近くある石川県沖にある大規模定置網は、県知事の認可で使用許可を与えられ、無償で借りられ、しかも5年間毎の更新が必要ではあるが、優先的に現在の使用者が更新する権利を持っているとのこと。(厳密にいうと、水深27mよりも深い定置網だと県管理、それより浅いと地元地域の管理となるようです。)
所有権はなく、あくまでも県の管理下の元、農家さんや酪農家さんなどの農地・土地の感覚とはちょっと違った管理のされ方が、なんだか新鮮でした。
そして、酒井さんが社長を務める「鹿渡島定置」さん、話を伺えば伺うほど、すごい企業さんだということもわかりました。
「僕の自慢話ひとつしてもいい?」という酒井さんの可愛らしい発言から始まるお話、酒井さんの「自慢」はひとつどころかいくつもあったのですが、その中でも酒井さんのライフワークとしてとっても大事にされている漁師さんの若手の育成について。
1次産業は、近年どの分野においても後継者不足や若手離れが話題となっておりますが、鹿渡島定置さん、今回取材をさせていただいていた中で、その若手の多さにも実は驚いていました。平均年齢が30代とのことで、その若手が漁業を続けられる秘策が、酒井さんのお話には詰まっていました。2014年には、ふるさとづくり大賞の最高位の「内閣総理大臣賞」を受賞され、酒井さんの自慢は今全国に何十人も酒井さんの元で学んだ若手の漁師さんたちが、船頭として活躍されているとのこと。
詳しい取り組みは、こちらの農林水産業みらい基金の助成先として認可された際のサイトで詳しく書かれているので、是非ご覧になっていただきたいです。動画も秀逸です。
http://www.miraikikin.org/activities/fisheries/kadoshima.html

そうか、だから船の帰りに話した20代の漁師さんも、あんなにワクワクと夢を語っていらっしゃったんだな、と納得しました。
他にも、酒井さんの網に、イルカやジンベイザメ、鯨がかかってしまった時の話なんかも面白おかしくお話ししてくださったりと、朝食の時間の1時間程の中で、酒井さんのお人柄に私たちはどんどん惚れ込まれてしまうほど、素敵なお方でした。
「自慢話」なんて言いつつ、全然自慢っぽく話されないのに、でも内容は確かに自慢するべき立派なことで、そんなことをさらっとこなす酒井さん、若手がついて行きたくなる、一緒に働きたくなる気持ちがわかるような気がしました。
「君たちもここで働かない?」なんて発言をしてくださるほど、多分酒井さんにとって人を引き受けることってとても自然なことで、そしてその成功体験を重ねてこられたからこそ、さくっとそんな発言もされるのだろうなぁなんて思いました。

鹿渡島定置さんの定置網漁ツアーは年間を通してどなたでも参加いただけるので、興味のある方は是非実際に行かれてみてはいかがですか?
私も個人的に、冬の寒い時期の過酷さも体験してみたいなーなんて思いました。季節によって獲れるお魚も違うでしょうし、寒ブリの時期とかに行っても面白いでしょうね。
ツアーの詳細はこちらから!