2021.05.27
近江町市場での買い物あれこれ
投稿スタッフ
①金沢市民にとっての近江町市場とは?
イチバのハコでお世話になっている近江町市場は、開場300年という歴史があり、長く「市民の台所」と呼ばれていますが、残念なことに近年地元客が減少しています。
40代の私が子どもの頃は、母に連れられて近江町市場に買い物に行くと、迷子にならないように母の手を離さないよう必死だったほど地元客で混雑していたのを覚えています。もちろん、スーパーマーケットが増えて、人々の生活スタイルが変化したことも要因ではあるでしょうが、地元客が近江町市場を利用しなくなるのはなんだか寂しい気がしますし、もったいないと思います。
2015年3月の北陸新幹線の開業で観光客がどっと増えて、観光客の行くところというイメージがついてしまったようで、地元の人たちは観光客で混んでいるとか、値段が上がったとか(そんな事は全くありません)で、行きづらくなったようです。実際、私の友人も近江町市場で買い物する人はほとんどいません。
こんな状況を少しでも打破したい!ということで、今回は近江町市場の買い物について考えてみようと思います。おうちごはんが注目されている今、市場での買い物に挑戦するきっかけになればと思います。
②なぜおみちょで買いものするのか?
品揃え
まずは、スーパーマーケットにはない品揃えです。
私は近江町市場に来る度に、「これは一体何だろう?」というものを発見します。といっても、すぐにそれを買う勇気はないのですが、なんだか宝探しみたいで楽しいのです。そして、商店の方が忙しそうでなければ、優しそうな方を探して名前や食べ方を聞いてみます。結局、「私にはムリやわ」って買わないことも多いのですが、やる気があるときには挑戦します。
最近挑戦したのは、穴子です。穴子のぬめりをたわしでしっかりとって料理すると臭みがなくなるというアドバイスをいただきました。これまでは、熱湯をかけて包丁の背でなでる程度の処理だったのですが、たわしでしっかりこすっても大丈夫と言われてやってみました。身が崩れるのではないかと心配でしたが、案外大丈夫でした。そして、しっかりとぬめりをとった穴子の白焼きは、臭みがなく格段に美味しくなったのです。ネットのレシピを参考にしてみても、ちょっとしたコツなど分らないことがあるんですよね。次に会った時に、聞いた方法で穴子の処理してみたら上手くできましたと報告するとお兄さんは「そうでしょ?」と言い、まんざらでもない表情でした。その後もおにいさんに少しずつ話を聞きながら買い物をすることで、顔見知りになっていけそうです。
野菜部門での最近の挑戦は、石川産のにんにくの芽です。スーパーで見かけるものと違って、細いアスパラくらいの太さがあります。先には蕾がついていました。蕾も食べられるけどあんまりオススメじゃないと言われたので、一緒に炒めて味見してみましたが、私も苦手でした。ネットで調べると天ぷらが美味しいと書いてあったので、次回は天ぷらにしてみようと思います。しかし、茎のシャキシャキ感はほどよく、にんにくの香りはほのかに匂う程度で、これまで食べていた中国産とは全く違いました。
このように、スーパーでは並んでいない食材や、同じ物でも国産のしかも地元のものが手に入るのです。
今回お話を聞いたよこい青果さんには、毎週土曜日に1週間分のお野菜を買いに来るご夫婦がいらっしゃるそうです。なんでも、珍しい野菜があるから買ってみたらはまってしまって、今では土曜にまとめ買いしに来てくれるようになったそうです。まさに、市場の魅力を楽しんでいるなと思いました。
また、近江町市場では飲食店の方とよくお会いします。あそこのお店もここで買ってるのかと思うと、そんな食材を気軽に買える近江町市場ってすごいと思いませんか?私にはその食材を素晴らしい料理に変える腕はありませんが、材料だけでも同じ物を使えるのならば、食材の力でかなり助けてもらえるのでは?と企んでしまいます。
対面販売の楽しさ
たいていの商店の方は皿盛りにしてある物も、どれにする?と聞いてくれます。私は大抵、「お兄さんが選んで」とか、「一番美味しそうなやつ」と、お店の方にお任せするのですが、そうすると商品を見て選んでくれます。自分の目よりプロの目で選んでいただく方が信用できますからね。皿盛りで売っていますが、何尾にしてほしいというリクエストにも応えてくれます。5人家族なのにお魚4尾じゃ困りますから。お肉屋さんでも、「ハムを10枚」とか「豚コマを150グラム」などと、必要な分だけ飼うことが出来ます。グラムでは量が分りづらい時は「300グラムだとどれくらい?」と聞くと、はかりにのせて見せてくれます。そうそう、これはあくまで個人的見解ですが、地元の天狗中田さんの扇型ソーセージは、スーパーでパックで売られている物よりも、近江町の店頭で売られている物の方が厚みがあって美味しい気がします。
それから、最近はお魚屋さんでいろいろな調理もしてくれます。「頭落として」「お腹出して」(内臓をとってくれます)「3枚におろして」「お刺し身にしたいし、皮までむいて」など、いろいろなリクエストに対応してくれます。調理に自信のない私は、これがとっても助かります。そして、夏場などは生ゴミも困るので、お腹だしだけでもしてもらえると本当に助かります。
そして、大抵の商店では2皿買うなどまとめて買うと値引きしてくれます。特に、午後2時半過ぎくらいからは値引きして売り切ろうと頑張っています。先日は、タラの切り身がたくさん残っているところに通りがかり、「姉さん、ねえさん、ちょっと」と手招きされて、5つも買ってしまいました。40%OFFくらいの値段にしてくれたので、近所の一人暮らしのおばあさまにお裾分けしました。魚屋さんにはここで恩をうっておくと、次回まけてくれたりするもんです。まけるといえば、お魚屋さんでまけてもらうときに、「○○円にしとくよー」とかもいいのですが、以前丁度払ったのに、「はいおつり」といって50円くれるようなおまけの仕方に、スマートさを感じたことがありましたね。
お得
我が家は手巻き寿司をする時には、必ず近江町市場でお刺身を買います。サクで売られているので、5~6種類くらいを買えばたっぷりの量になります。家族で食べるときはもちろん、友人とホームパーティーするなら、断然お得になります。スーパーマーケットできれいに切られているお刺し身は、家族で食べるには少なくないですか?パクパク食べたい子どものいる家庭は、近江町でサクを買うことを強くオススメします。というのも、金沢の子どもたちはお刺し身やお寿司が好きな子が多いです。以前、小学校で好きな寿司ネタを聞いたところ、「寒ブリ」「さわら」「しめ鯖」なんて回答があり、玉子やかんぴょうなんて誰も言ってなかったのに驚いたことを思い出しました。そんなご家庭には、近江町市場を是非利用していただきたいのです。
今回は、金沢市民として一人でも多くの方に近江町市場を身近に感じてもらいたいと思い、自分のエピソードを交えて書いてみました。皆さんも、近江町市場で買い物をしてこんな体験をしてみてください。